「かゆみで夜も眠れない」
「かきむしった傷からじゅくじゅくした体液が漏れて服を汚してしまう」
「赤くただれた肌が恥ずかしくて人と会うことをためらってしまう」
これらアトピー性皮膚炎の方ならこんなことを感じたことがあると思います。
この不快感から逃れられるなら、何をしたっていい!と思ってしまうぐらいですよね。
アトピーは、その主な症状である「かゆみ」などが引き起こす不快感や、見た目を損ねる皮膚の病変によって、生活の質(QOL)を大きく低下させてしまう重大な病気です。
厚生労働省の調べによれば、平成26年のアトピーを患った方の総数は456000人であるとのことですが、約30年前、昭和62年の総患者数である224000人と比べると、倍以上に増えていることがわかります。
自分だけじゃない、大切な人も苦しんでいるかも
ここまで患者数が増加してしまったアトピーの問題は、もはや自分だけのものではありません!
大切な恋人や友人、血を分けた子どもも、その苦しみの犠牲になってしまう可能性が充分考えられるからです。
自分が苦しむのもつらいですが、大切な人が苦しむのを見るのも同じくらい苦しいことです。
私たちを苦しめるこのアトピーに、いったいどう立ち向かえばいいのでしょうか。また、青汁はアトピーの改善に有効なものなのでしょうか?
今回の記事では「アトピーへの青汁の効果」について探っていきます。
アトピー性皮膚炎の原因は何?「バリア機能低下」と「アレルギー」
そもそも「アトピー性皮膚炎」とはどんな病気なのでしょうか。そのメカニズムについてまずは説明します。
アトピー性皮膚炎とは、一言で言えば「よくなったり悪くなったりを繰り返しながら、長期間かゆみのある湿疹が皮膚に現れる病気」のことです。
こうなる原因には「アレルギー」や「皮膚のバリア機能の低さ」が関係しているといわれています。
肌のバリア機能低下→異物侵入→免疫反応→アトピー
皮膚には、表面にある皮脂膜やその下の角質細胞、角質細胞間脂質などによって、水分を保持したり、ウイルスなど身体にとって危険なものが体内に侵入してくるのを防ぐ「バリア機能」があります。
これが何らかの原因でこの機能が弱くなると、肌の水分は逃げやすくなり、外からの異物が体内に侵入しやすくなります。
ここに、外からの異物に対して免疫が過剰に反応する「アレルギー」は重なると、肌はかゆみを伴う炎症を起こしてしまいます。
もともと「炎症」とは、身体を守ってくれる「免疫」が外敵を退治するときに起こる現象ですが、皮膚のバリアがうまく機能しないこととアレルギーが重なったせいで、体内に入ったたくさんの異物に免疫が反応し炎症が悪化してしまうことが「アトピー性皮膚炎」の根本的な原因になっているとのことです。
ハウスダストや肌への刺激も要因
また、皮膚のバリア機能の低下やアレルギーの原因には、生まれつきの体質によるものだけではなく、
・ダニ、カビ、ほこりなどのハウスダスト
・皮膚を引っかいたりこすったりする物理的な刺激
・石けん、化粧品、金属、消毒薬などの化学物質
・汗や皮膚の汚れ
・紫外線
上記のような外的な要因もアトピー性皮膚炎の原因となることがあります。
アトピー性皮膚炎を改善するには?
ここまでアトピーのメカニズムや要因について見てきましたが、改善する方法はあるのでしょうか。まずは代表的なものから紹介していきます。
①専門医の指導のもと、薬による治療を受ける
病院では、炎症の鎮静、肌の保湿、かゆみやアレルギーの緩和を目的とした投薬治療が行われることが多いようです。
治療に使われる薬品で代表的なものは次のものです。
・肌の保湿…尿素軟膏、白色ワセリン、亜鉛華軟膏など
・かゆみ、アレルギーの緩和…抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤など
投薬治療を受ける際は必ず医師の指導に従って、自分勝手な判断は避けるようにしてください。
②アレルゲン(アレルギーの原因となるもの)を避ける
ダニなどのハウスダストや花粉などのアレルゲンのせいでアレルギーが起こることも多くあるので、これらを家の中から出来るだけ排除するのもアトピーのケアには効果的です。
ダニを増やさないためには、こまめな掃除が一番。ちなみに床は絨毯ではなくフローリングが適しているようです。
寝具にもダニが付きやすいですが、日光に当ててから掃除機で吸うとダニの発生が抑えられるそうです。
花粉も家に出来るだけ持ち込まないように「外から帰ったら上着をよく払う」「風の強い日は窓を開けない」という工夫が大切です。
③身体や心への刺激を減らす
刺激によって、アレルギーが起こりやすくなるということは先ほども述べましたが、アトピーを患う人が症状を抑えるために普段の生活の中で次のようなことに気をつけることが大切です。
・辛いものやアルコールを避ける
・寝具は毛羽立たない素材を選ぶ
・下着は木綿のものを使い、洗剤が残らないようによく洗う
・アクセサリーの使用を控える
・長い髪はまとめる
・汗はすぐ拭く
ほかにも精神的なストレスが症状の悪化を招く場合があるので、周囲のサポートをうまく活用しなるべく心に余裕を持ち、アトピーと付き合うことが大切です。
アトピー性皮膚炎の原因は?腸の具合が「免疫」を立て直す!?
アトピーが発症する大きな要因は「免疫の暴走」でしたね。
では、免疫に正しく働いてもらうにはどうしたらいいのでしょうか?
そのキーワードは「腸」にありました。
腸には身体の免疫細胞が集中しています。ならば、腸のコンディションを整えることがアトピーの改善につながると考えてもおかしくはありません。
現に、最新の研究ではアトピーを患う人には「腸内フローラ(腸に様々な細菌が群生している状態)の乱れや多様性の低下がある」「腸の炎症と皮膚の炎症がリンクしている」などの特徴があることがわかってきました。
普段、私たちの身体の中では「制御性T細胞」というものが免疫の暴走を止めてくれていますが、腸が弱って制御性T細胞がシステムエラーを起こしてしまうことで免疫は暴走し、アトピーが悪化してしまうようなのです。
青汁が腸を元気にする!その秘密は、善玉菌・ストレス・手軽さ
①食物繊維が善玉菌を活性化
青汁に豊富に含まれる食物繊維は、腸の中に住む乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を活性化させ、腸内環境を改善してくれます。それによる免疫力の向上は、アトピーの改善だけでなく様々な病気にかかりにくくなるというメリットもあります。
②心身のバランスが整い、ストレスを排除
食物繊維には、免疫力アップだけではなく便通をスムーズにする作用もあります。この効果により毎日決まった時間に排便を行うことができれば身体の「リズム」が整い、生活が快適になります。
また、青汁には、スムーズな入眠と質の高い眠りには欠かせない「メラトニン」という物質が含まれています。睡眠の質を高める事は心身のバランスを整えるために欠かせないものです。
アトピーの要因の一つに「ストレス」がありましたが、心身のバランスを整えれば自ずとストレスは消えていくでしょう。
③値段もお手頃!手軽にとれる
食物繊維やビタミンを毎日普段の食事から充分に摂取するのは難しいのが正直なところ。人間が1日に必要な野菜の量は350gと言われていますが、なかなか食べられる量ではありません。しかし青汁なら、飲むだけで手軽に必要な栄養素を摂取することができます。価格も、一袋当たり100~150円程度なので、経済的にも負担を少なく抑えられます。
食物繊維が多い青汁は?
ここまで、アトピーのメカニズムの要因、免疫と腸内環境の関係、青汁のメリットを挙げてきましたが、ズバリ!キーワードは「食物繊維」
青汁の材料にはケールや桑の葉、その他様々な緑黄色野菜がありますが、中でも豊富に食物繊維を含んでいるのは「大麦若葉」と「明日葉」です。
食物繊維を基準に青汁を選ぶ際の判断材料の一つにしてみてくださいね!
青汁と他の方法、組み合わせて試そう!
ただ、青汁は医薬品ではなくあくまでも「食品」なので決して「腸やアトピーの万能薬」ということではありません。
青汁だけに頼るのではなく、普段の食生活や生活習慣の見直し、必要であれば専門医による治療なども組み合わせて行い、様々な面からアトピーに対処することが大切です。
アトピー性皮膚炎とは、身体だけでなく、私たちの心にもダメージを与えるやっかいな病気です。そしてその背景には「腸のコンディション」が大きくかかわっていることがわかりました。
腸を元気にしてくれる食物繊維が豊富に含まれた青汁は、アトピーの改善に期待できる効果をもっているので、一度試してみては?
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